【自律神経と健康の基礎知識】自律神経を整えるには?|生活習慣との関係を知る
自律神経のことを理解して測定を始めると、自律神経のレベルが低下しているということに気づかれる場合があるかもしれません。その場合どうしたらいいのかというお話をします。
自律神経の機能をアップさせる一番いい方法は、運動なんです。
有酸素運動、筋トレ、いろんな運動をすることが自律神経にとってトレーニング効果を生むということが我々の研究論文でも証明されています。
例えば有酸素運動を始めると筋肉を使って交感神経を刺激して心拍数を上げるわけです。
次に軽いジョギングに入ったりすると、ゆっくりした副交感神経で血圧を元に戻したり心拍数を元に戻したり。運動の後には特に副交感神経が非常に活動してくる。
ですから運動を継続することは「自律神経を鍛える」ということになります。自律神経を鍛えて自分の年齢、自律神経年齢を若返らせようと思うと、やはり、お勧めは運動することです。

血圧を上げたり下げたり呼吸数を上げたり下げたり、いろいろなメリハリのある運動によって、実は自律神経が非常にチャレンジを受けているわけです。
では、バランスがうまく取れない方は、どうすればいいのでしょうか。
例えば夜リラックスすべき時間帯になってもなかなかリラックスしてくれる副交感神経が活発にならない。もっとひどい精神的なストレスで非常に影響を受ける方もいれば、物理的に影響を受ける方もいます。
そのような時に、アロマセラピーでアロマを嗅ぐと神経が刺激されてリラックスするかもしれない、また、ストレッチを行ったり、ヨガのポーズをとったりして副交感神経を亢進(こうしん)させてリラックスするかもしれない。

このように、自律神経の働きをコントロールするいろいろなやり方があるわけです。一人ひとりに最適な方法は、個人によってそれぞれ違います。
みなさん、ご自身に合った方法を見つけて、健康的な肉体を手に入れましょう。
この記事を書いた人
森谷敏夫
京都大学 名誉教授
株式会社おせっかい倶楽部 代表取締役
1980年、南カリフォルニア大学大学院博士課程修了(スポーツ医学、Ph.D.)。テキサス大学、テキサス農工大学大学院助教授。テキサス農工大学では医用電子工学の研究者とともにNASAの共同研究に参加、宇宙飛行士の筋疲労や筋肉や体力 低下の予防に関する研究を行った。
1992年より京都大学大学院人間・環境学研究科助教授、2000年から同科教授。2016年3月から京都大学名誉教授。同年4月から中京大学客員教授。
2007年に予防医療の普及推進をめざして立ち上げたNPO法人エビデンスベーストヘルスケア協議会二代目理事長となり、その成果を世の中に広め、具現化していくことを目的として2019年に株式会社おせっかい倶楽部を設立、代表取締役就任。
専門は応用生理学とスポーツ医科学。生活習慣病における運動の重要性を説き有酸素運動を推奨している一方、寝たきり患者や整形外科的に運動ができない人々のための骨格筋電気刺激についても研究を進め、「筋電メディカル®」という新時代のコンセプトを自ら提唱、医学や生活者によるセルフケアの可能性を広げる科学的なアプローチを精力的に行っている。
2024年、「筋電メディカル®」の考え方に基づき、ロコモティブシンドロームやフレイル対策を目標とした新型EMS「筋電メディカル®EMS(MyMed EMS)」を開発。運動生理学に基づき、筋肉がつく過程を、ハードウエア・ソフトウエア両面からの工夫で再現することに成功した。加えて、これまで困難であった体幹部の筋群(インナーマッスル)への刺激手法を開発し、フェムケアにも活用できるEMSとした(特許出願中)。
自律神経活動の研究においても多くの知見があり、自律神経のバランス(交感神経、副交感神経のどちらが優位な状態であるか)に加え、パワー(自律神経の絶対量。老化とともに減少することが知られている)がより重要であることを提言している。この自律神経測定は、通常、心電図解析と同等の精度が必要であるが、2024年、スマートフォンによりほぼ同精度の測定ができる機器の開発に成功した。