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【自律神経と健康の基礎知識】自律神経パワーとは?|体調を読み解く新しい視点を知る

人間のからだの調子と深いかかわりがある自律神経。どのように把握すると良いのでしょうか?

一般的には自律神経というと、交感神経と副交感神経のバランスのことを重視する傾向がありますが、これだけでは本来の自律神経の説明として十分ではありません。

バランスも大事ですけれども、それよりも重要なものはパワーという概念、これを総合して『自律神経パワー』といいます。
例えば交感神経と副交感神経のバランスを見ると完璧にバランスが取れているように見えても、実は交感神経と副交感神経がかすかに動いている。働きが弱すぎてバランスよく見えている、ということもあり得ます。

手に持った天秤

バランスは天秤のようなものです。天秤が全く同じ傾きだったとしても、例えば自律神経パワーで実際の自律神経活動レベルが全く違う可能性があります。

パワーが弱く暗くかすかに交感・副交感神経が機能しているのか、非常に強いパワーで自律神経が最高のパフォーマンスをしているのか。それによりからだのコントロールに掛かる影響は異なります。

そのため、自律神経パワーを最初に確認してからだのコントロール力を知り、自律神経バランスでコントロールの方向性を見ることを推奨しています。これにより自分のレベルがはっきりと把握できるわけです。

自律神経はその日の状態の心理的なストレスだとか体温だとか、女性の場合だと生理の周期とか、いろいろなものでその自律神経の活動のレベルとか交感神経と副交感神経のバランスがそれぞれ違うわけです。

青空と白い雲

日内変動が大きくなる可能性もあります。このような変動の状態も正しく把握するため、まずはご自身の「ゴールデンスタンダード」を理解しましょう。
ゴールデンスタンダードとは、あなたが一番安静にしている自律神経の活動レベル、あるいはその交感、副交感神経のバランスのことです。

これを知るためには、ある一定の例えば朝起きてゆっくりとストレスがないところ、ベッドの上など落ち着いた状態でスマホのアプリを使っての自律神経の測定を、おおよそ週5、6回やっていただいて、その平均値を算出します。

例えば今日なんとなく気分がすぐれないとかイライラするとか、そういう時に自分で自律神経をスマホで計測すると、いつもの私のスタンダードと比べると交感神経っていうのはかなり強くなっている。
また、なんか重い感じがするなあと思った時に測定してみると、あれ?普段の私の副交感神経のレベルがグーンとなんか生理前だけ落ちてる感じがする。
からだの不調や違和感などが気になった時に自律神経を測定して、ゴールデンスタンダードと対比させることで、ご自身のからだの状態の変化を理解することができます。

※自律神経を測定出来るarrows・らくらくスマートフォンでは、自律神経のパワーとバランスが測れるだけでなく、アプリ内でスタンダード値の管理もできます。

次回は、自律神経の改善方法をお教えします。

この記事を書いた人

森谷敏夫
京都大学 名誉教授
株式会社おせっかい倶楽部 代表取締役

1980年、南カリフォルニア大学大学院博士課程修了(スポーツ医学、Ph.D.)。テキサス大学、テキサス農工大学大学院助教授。テキサス農工大学では医用電子工学の研究者とともにNASAの共同研究に参加、宇宙飛行士の筋疲労や筋肉や体力 低下の予防に関する研究を行った。
1992年より京都大学大学院人間・環境学研究科助教授、2000年から同科教授。2016年3月から京都大学名誉教授。同年4月から中京大学客員教授。

2007年に予防医療の普及推進をめざして立ち上げたNPO法人エビデンスベーストヘルスケア協議会二代目理事長となり、その成果を世の中に広め、具現化していくことを目的として2019年に株式会社おせっかい倶楽部を設立、代表取締役就任。

専門は応用生理学とスポーツ医科学。生活習慣病における運動の重要性を説き有酸素運動を推奨している一方、寝たきり患者や整形外科的に運動ができない人々のための骨格筋電気刺激についても研究を進め、「筋電メディカル®」という新時代のコンセプトを自ら提唱、医学や生活者によるセルフケアの可能性を広げる科学的なアプローチを精力的に行っている。

2024年、「筋電メディカル®」の考え方に基づき、ロコモティブシンドロームやフレイル対策を目標とした新型EMS「筋電メディカル®EMS(MyMed EMS)」を開発。運動生理学に基づき、筋肉がつく過程を、ハードウエア・ソフトウエア両面からの工夫で再現することに成功した。加えて、これまで困難であった体幹部の筋群(インナーマッスル)への刺激手法を開発し、フェムケアにも活用できるEMSとした(特許出願中)。

自律神経活動の研究においても多くの知見があり、自律神経のバランス(交感神経、副交感神経のどちらが優位な状態であるか)に加え、パワー(自律神経の絶対量。老化とともに減少することが知られている)がより重要であることを提言している。この自律神経測定は、通常、心電図解析と同等の精度が必要であるが、2024年、スマートフォンによりほぼ同精度の測定ができる機器の開発に成功した。

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